設立趣旨
今まで国では公的な福祉サービスとして高齢者、障がい者、こども、と対象を区分し専門的なサービスを利用できるように各制度の充実を図ってきた。その一方で地域社会が変容し複合的な困難を抱える家族、制度の対象とはならない生活課題への支援の必要性、様々な事情から周囲との関わりが持てずに、ちょっとしたことを相談したり頼む相手がおらず抱え込んでしまう孤立など住み慣れた地域で暮らし続けるためには課題が多く、複雑化するニーズに現状のサービスだけでは対応が行き届かない状況となっている。反面、個人の社会貢献の意識が向上し意欲的にボランティア活動や地域の活動に参加したり、興味を持つ人も増えてきている。地域に住む人が個人の抱える困難を理解し寄り添い、気に掛けることや本人、家族へのサポート等自ら進んで地域を支え、自分らしく活躍できる場をつくり人と人を繋ぎお互いが支え合う新しい地域のつながりを構築していきたいと考える。多世代の交流の場、サロンや講習会の開催等地域に住む誰もが「自由に集まって」「つながって」「話し合える」場所をつくることで、地域のニーズや住民の知恵、力を引き出しそれぞれが自分に今できること、したいことを考え選択し病気や障がいがあっても家族や地域の理解、支援を得て生き生きと暮らし続けられる町をつくっていきたい。
また、これからを担う子供たちには多世代が交流できる場所として地域食堂の開催と合わせて学習支援を実施。親や友人だけではないつながりもつくっていくことで、「世界や可能性が広がる」「相談相手ができる」「地域への愛着が生まれる」のではと考える。
公共交通機関が少なく近くにスーパーや病院もなくタクシーの利用は経済的負担が大きいことから認知機能や身体機能の低下があっても移動手段として自家用車の利用を続けるしかなく、自動車免許の返納が簡単にはできないなどの問題を地域性として抱えている。高齢者等の移動の確保、利便を高めるため利用できる福祉有償運送事業を行い、自由に外出ができ社会参加の機会を積極的につくれるように支援の体制をつくっていきたい。様々な活動を実施するにあたって多世代のボランティア、協力者を広く募集し町のボランティアポイントを活用、個人の持っている知恵、力、思いを次世代にもつなげすべての人に福祉が行き届き健やかに住み続けられるまちづくりに寄与する。